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Why we found a label

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90年代の中盤から2000年初盤にかけて、テクノが流行っていたことを知っているでしょうか?

特に90年代はテクノバブルなどとも呼ばれ、あらゆる雑誌では目新しい音楽として「テクノ」を特集し続けていました。クラブでも同様で、数多くのテクノのパーティーが毎夜開かれておりました。その最初期の状況を野田努氏は「ジャンク・ファンク・パンク」(河出書房新社刊)の中で以下のように述べております。

1993年のことを忘れろと言われても、そんなのは無理だ。キミもあのときあの場所にいたのなら、同じことを言うはずだ。(略)その頃僕は多くの人たちと知り合うことになるわけだが、当時は「テクノが好き」という素朴な気持ちだけでいろいろな人間と友達になれたのだ。なんて幸福な時代だったのだろう!

ちなみに、「幸福な」の部分には「オメデタイ」とルビが振ってあります。この意見には同意見で、当時は上記のような夢とも思える光景が日本には広がっていたのです。その数は非常に少なかったけれども、段々とテクノが広がっていき、まさに「テクノバブル」を迎える頃に自分たちは茨城の高校で細々とテクノに参加しておりました。

このCassette Records(カセット・レコーズ)はその頃の思い出の延長です。メロディーもなく、ベースラインも存在しないただただダンスミュージックとしてのテクノ、クラブ明けのベッドで疲労感と多幸感に包まれながら聴くアンビエントとしてのテクノ、シンセサイザーや環境音を加工した音などこの世には存在しない奇妙な音で紡がれるインテリジェンス(?)なテクノなどを配信する場所としてオープンしました。

当時と今が決定的に違うのは、まずはレコード盤の不在でしょう。現在の多くのDJがCDケース置き場、PC置き場として認識しているターンテーブルというものがあります。当時は、このターンテーブルの上にレコード盤以外の物などを置いたらクラブから叩き出されてもおかしくないくらい全てのDJの必須アイテムでした。

しかし、このターンテーブルというものは異常に値段が高い上に、DJをしたいのであれば、2台も買わなければなりません。また、二つのターンテーブルからの音を混ぜるためにミキサーの購入も必須です。これらを全て揃えるとすると軽く20万円は超えるため、DJへの敷居は非常に高かったのです。

それが今や、PCDJという便利な物があります。これならば、今や誰でも持っているパソコンにインストールしさえすれば簡単にDJが楽しめます。MP3が再生出来るため、あの値段が高い上に、重くて場所も取るというレコードを買う必要もないのです。なんて幸福な時代なのでしょう。

曲作りも容易に(安易に?)行えるため、多くの人がダンスミュージックにコミットしやすくなってきました。しかもそれを無料で配信しているのだから凄い!ネットレーベルという概念も、そもそもインターネットがない当時の我々には想像すら出来ないものでした。

現在のネットレーベルを見渡すと、多くの人が本当に素晴らしいダンスミュージックを作っております。そこで鳴っている音はいまや「楽器も弾けない、楽譜も読めない人でも作れる音楽」ではありません。非常に素晴らしいメロディーを持った作品なども多く、本気で音楽で食えるのではないかと思えるものばかりです。

テクノバブルを経験した我々にとっては、最初期のテクノこそがカウンターカルチャーでした。そして現在、一回りしてまたしてもテクノがカウンターカルチャーになってきているのではないかと薄々感じております。あのただ奇妙な電子音が鳴り響くだけのダンスミュージックに歓喜していた時代がまた来るとは思えませんが、あのロマンティックな状況が年に一回のWireだけではなく、小さなクラブでも広がっていったらいいな程度には思っております。

若い世代が活躍する非常に若い世代のためのネットレーベルに勝利するつもりはありません。現実的には、カウンターとして、ポップなDJプレイの中にひっそりと我々の音楽が鳴ったら嬉しく思います。

そして、いずれあの邪魔なレコードを作り、12インチでしか買えない、聴けない音楽としてのテクノを発表することが次の夢です。

33
RPM

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